パンフレットを読んで・・低線量被爆のことなど


チェルノブイリ原発事故25年のメッセージ」発行:原子力資料情報室を読んだ。
このパンフレットで(チェルノブイリ事故での死者は4000人と推定されている。WHOが被災3国の740万にに広げた評価としては9000人の死者を見積もっている。)上記のような評価を紹介した上で、「事故の影響とは」として次のように書いている。
「たとえ4000人であったとしても、大変な死者の数だということを見ておきたいと思います。病気で苦しむ人たちは死者の何倍もいて、さらに病気にかかることを心配する人たちがいるのですから。いつ発病するかと心配が続くことこそ、放射線被曝に特有のおそろしさなのです。そして、病気は必ずしもがんとはかぎられません。消火器や呼吸器等にさまざまな病気が増えているとの報告があります。」(p15)
 被害を少なく見積もろうとする人たちは、「誤った情報に基づく放射線に対する恐怖こそが病気のもとになる」と言っている。しかし、放射線というのはそういう恐怖を与えるものなのだ。低線量被曝を受け続け大丈夫だ、という保証はない。
 人間に影響を与えるもので、同じ物質でも病気になる人もいるし、ならない人もいる。水俣の水銀、富山のカドミウム石綿よる中皮種。多くの「公害」・労災には因果関係の証明の壁が立ちはだかった。これらの公害・労災以上に放射線による影響の証明は難しいかもしれない。それは、あまりにも長期にわたって被曝し、数十年後に影響が出る可能性があるからだ。そして同じ線量を浴びても病気になる人もいればならない人もいると予想されるからだ。
このパンフレットでは長年チェルノブイリ被爆者救援関西で活動されている医師振津かつみさんが次のように述べている。
「今後も長期にわたるチェルノブイリのヒバクシャの健康調査が必要であると同時に「統計的有為な増加」が証明されるまで放置されるのではなく、ヒバクシャの健康と命を守るために、積極的な対策と補償が必要である。」(p31)
この言葉はこのまま福島原発事故で被曝した人々、そして作業員の方たちに同じことが言える。住民は被曝にさらされてはならない。放射線に対してより影響を受ける子供たちに被曝実験のようなことは許されない。幼稚園の土を削って放射線量の比較をしたらしいが、とにかく早く校庭の土を削る、汚染が強い場所を除染する。このような当たり前のことを実施すべきだと考えている。

スペースふうらの裏にあるサクランボの木
マシッソヨ!