関電ピーク時余力3%。「供給なお綱渡り」のウソ。

毎日新聞がこのような見出しをつけていた。しかし、昨年の実績を見ればこのような見出しをつけることはできない。
 そもそも3%という数字は供給量全体からだされた数宇ではない。供給量は他社受電。融通による受電を増やせば、供給量全体を増やすことができる。
 2012年8月3日、昨夏の使用最大電力は2689万kWだった。その日、関電が準備した供給量は2999万kW。電力使用率は90%となっている。余力でいえば10%も余力があることを示している。原子力発電(大飯3・4号の236万kW)を差し引いても余力は2.7%。その日の西日本全体の発電供給余力は下記の図になる。

これに電気が余っている東京電力から東西融通で100万kW融通が可能だ。少なくとも供給が綱渡りであるとの記事は間違いで、新聞社の勉強不足もいいところだ。
 関西電力はプレスリリースで今夏の需給見通しを説明している。その表では昨夏の想定と今夏の想定を比較している。2012年の想定と2013年の想定を比較してどうするのだ。2012年実績と2013年の予想だったら納得もいく。そういうことを記者は質問したのだろうか。関西電力は「火力の全台運転可能な状態」にしている、といっている。しかし、多奈川宮津の火力発電合計195万kWは計算に入っていない。関電は全く運転する気がないということだ。
 原子力は供給力の問題ではない。生命とコストの問題だ。電力供給の問題に矮小化させる事は、目先の経済成長幻想にとらわれている連中の悪巧みでしかない。