「線量要員」という残酷な言葉

「伝える」ジャーナリストの目、市民の目、二つの写真展で講演会が2回企画されている。そのひとつ、福島原発で働く労働者をポートレートにし写真集に収めている小原一真さんの講演をがあった。お話の中に「線量要員」という言葉が出てきた。被ばく線量が高くなった技術者に代わって、作業をする人々のことを言う。とても残酷な言葉だ。
 小原さんの取材で登場する労働者は福島在住の人々が多い。震災と原発事故で仕事をなくし、仕事をなくした原因を作った福島原発の作業で被曝する。原発は2重にも3重にも罪なことをしている。
 年間50mミリシーベルトという厚生労働省が定めた基準がある。福島原発の事故で緊急時100ミリシーベルトであったものが250ミリシーベルトに緩められた。その上、その福島原発の収束作業にあたった被曝量を別枠扱いするとして労働者の就労が進められている。福島原発で働く労働者の状況はわからない部分が多い。原子力資料情報質が情報公開しても大部分が黒塗りの文書だった。闇から闇に葬られることのないように、しなくてはいけないと思うのだが・・・。