ふうらの写真甲子園

写真甲子園に成城高校が初出場で準優勝という記事を見つけた。成城高校というのは「スペースふうら」から5分ほど歩いたところにある高校。早速、顧問の先生に会いに行き、展示の承諾をいただいた。
写真甲子園というのは北海道・東川町をメイン会場に全国から18校の代表が写真表現を競う大会。今スペースふうらには予選を勝ち抜いた写真、そして、本選で勝ち抜いた写真・そして、学生たちが撮ったが「選考にださなかった」秀作を展示してある。


私にとって高校生たちとの出会いも楽しいことだったが、高校生を指導する山口晴久先生との出会いも楽しいことだった。山口晴久さんは56才。50才に近くなってから写真学校へ行き始め、そして、いまやニューヨークでも個展をするほどの力をもたれている「プロのカメラマン」兼高校の先生だ。
山口さんは写真甲子園の取材に答えて次のように語っている。「写真は撮るよりもセレクトするほうがずっと難しい。なぜ、この一枚なのかというコンセプトを言語化できなければ」と語っている。私は写真を撮った時、そして、セレクトするときのときめきを「問う」という営為だと理解した。
 それは詩を作る時の行為にも似ているように思う。ときめきやえたいの知れない心の動きが言葉を作り出す。そこから詩の世界を展開させていく。
 写真の組写真は物語を作るということで「言語化」していく行為なのだろう。成城高校の学生が撮った写真の中に「セルフポートレート」がある。痛々しささえ感じさせ、そして、性を感じさせる、組写真だ。被写体にネコも登場する。「私はネコ。ネコは私」そういう問いを重ねていく。審査員が絶賛したという組写真が展示されている。