小板橋慶子さん「繭の糸」

小板橋慶子さんの「繭ノ糸」を見てきた。繭玉から作られた布。彼女の作品を見るのは3回目だが、いつもこの繭の世界に引き込まれていく。今回は一本一本と生糸にほぐした「カーテン」も展示されている。
 暗い電灯の光の中で揺らめく様は、ぼくを海岸の一軒家に連れて行った。揺れる生糸の一本一本。それが窓から入ってくる風に揺れ、一本がなびくと、続いて一本一本と連鎖し、波打っていく。もう夕方から夜になっていくのだろうか。残照に少し赤みを帯び、それは夜の始まりを告げてくる。そして繭は部屋を包みその中で人は裸身になる。

若干、展示室の臭いと暑さに負けて、ぼくにその世界で楽しむ力が少なかったのが残念。また11月に「湖族」イベントで展示されるとのこと。楽しみだ。
小板橋慶子さんの作品は9月14日まで。亜蛮人さんで。
亜蛮人さんはいろんな企画をされて楽しませてくれる。主催されている方も魅力的だ。

スペースふうら・・・・日本の五重塔総覧展