モンゴル使用済み燃料処分問題のお話を聞いて

モンゴル国のウラン鉱山開発、原発建設、使用済み核燃料処分問題」9月28日今岡良子さんのお話を聞きに行った。主催はノーニュークスアジアフォーラム。
昨年5月に毎日新聞が「モンゴルに建設 日米が核処分場極秘計画」とスクープした。当時、なぜモンゴルなのか、余り理解できていなかったし、モンゴル国のことを余り知らなかったので、今回、少し理解が深まったかな。今岡さんありがとう。
モンゴル国は地下資源が豊富な国で石炭、金、銅、ウランなどの鉱物資源が存在する。(このことも知らなかった!)このモンゴルで100のウラン鉱含有地域があり、ウラン鉱床が6カ所ある。そして、ソ連が崩壊してから、1991年、モンゴルが市場経済に巻き込まれていくと、政府は地下資源による国作りを目指すことになる。このウランの鉱山の採掘権を巡り、各国、各社がモンゴルに入り込んでいくようになる。モンゴルは研究者などアメリカと人的交流を深めていく。そして、2008年、モンゴルは「原子力の平和りようの開発はモンゴルの持続的発展に重要なファクターである」と宣言。ここから動きが加速していくことになる。今、モンゴルの使用済み燃料の貯蔵には「(核廃棄物の)引き取りの要件は、モンゴル起源のウランであり、モンゴルで燃料製造すること」という方針を持っている。ウランを売り、核のゴミを引き受けるということのようだ。今岡さんがまとめた年表を見ると、2008年以降、モンゴルはアメリカ、日本、中国、オーストラリア、など精力的に会見している。IAEAの天野とも会見している。
今岡さんの話を聞いていて、貧しい国の資源に群がる姿が見えてきた。モンゴルが核ネットワークに絡みとられていくように見える。薄ぼんやり見えるのはアメリカの世界戦略・核戦略だった。そして、この国の3分の1を占める遊牧民の姿。鉱山開発で土地が汚染され、水が汚染される。オーストラリアのモジリアーニの人たちが住んでいるところで進んでいること。それと同じようなことが起こると思うと胸が痛い。
今岡さんは鉱山開発を阻止し、川や土地を守ったことを現地の教科書にしようとしている。守ったことを引き継ぐことで精神性も継承されていくだろう。未来につながる仕事をしている今岡良子さん。応援したい人が一人増えた。