-----美術館を野生化する----榎忠展を見に行く。(兵庫県立美術館)

「美術館の地はかつては製鉄所」その地霊に惹かれた榎は鉄をはじめとする金属の野生で美術館を満たす。」「本物の薬きょう、溶けた鉛、変形切断された鉄材」
このようにチラシに書いてある。




 入り口に何十もの銃。ソビエト製とアメリカ製。これが世界だといわんばかりだ。そして次に大砲が続く。そしてその次の部屋は圧倒する薬きょうの山。部屋一面に薬きょうがおかれ、そして山を作っている。この一発が人を殺す。その薬きょうが幾百とある。それも使用済みの。どこでどのように使用されていたのか。薬きょうは語らない。世界には想像もつかない数が散乱しているんだ。そして裁断された鋼鉄のオブジェが花もように配置されている-------。そして、そのフォルムの美しさ。それはエロスさえ感じさせる。そしてその才断面は黒く光って波にような表情をしている。すさまじい力でちぎられた鋼鉄。そして、おおさんしょううおの形をした溶けた鉄。まさに鉄の滅びと復活のさまのように感じる。そして最後のへ部屋はさまざまな部品を磨いて作られた「都市」の一日。このように表現するのか。と言うスケールだった。
帰りに同じ建物で展示されていた、大西伸明さんのオブジェ。これもおもしろい。そっくりな割れたお皿が二つ。かけらも何もかも2ピース。割れた彫刻、ブルーシートも2つ。車の破片。それにしても、ブルーシートも帽子も「素材」そのものに見える。それがそっくりにかけてある、しわも折り目も。。すごい技。われたものは世界でひとつなんだということにも気づく。楽しい展示だった。