佐竹詩子の写真展を終えて・・・・

スペースふうらで開催した佐竹詩子の写真展。この間たくさんの人とお話をすることができた。そして、20代の人たちの閉塞感とそこから飛び出そうとしているエネルギーに触れることができた。
 「ザンビアに学校を建ててみた(る)」というプロジェクトを立ち上げ校舎建築を実現した佐藤慧さん。27才。大学を中退し、USAにあるNGOの活動から「ザンビア」に出会い、今回のプロジェクトを立ち上げた。この「校舎建築」のプロセスで今まで出会わなかった大学生や若者と出会うことができたという。佐竹詩子との再会もその動きの中にあった。
 この一ヶ月の写真展の中で印象的なシーンがある。佐竹詩子の写真を見、そして詩子と話し、感きわまって泣き始めた女性がいた。そして、しばらくして落ち着くと自らの揺れを語り始めるのだ。
 プロジェクトを立ち上げた佐藤慧も明るい展望があったわけではないだろう。しかし、自らの思いを実現しようとし行動する。そして、人を引きつけ、組織し、動きを作る。一見無謀そうに見える計画だったけれどやってしまった。彼らにはチャレンジする力があった。それが、また、若者を引きつけた。一方、佐竹詩子は自分の現状を打破したくてとにかく「飛び出していった」。彼女は「カメラはコミュニュケーションツールだった」という。カメラ一台で人に迫り笑顔を引き出していった。この写真展は彼女の「愛の表現」でもあった。ザンビアで「鳥を食べたければ、鳥の命をいただく」「豚を食べたければ豚の命をいただく」そういう生活を目の当たりにして彼女は吹っ切れたものがあったと言う。決して物質的には豊かではないザンビア。平均寿命が38歳と子供の死亡率が高いザンビア。佐竹詩子は見事に笑顔をとらえた。
 今の大学生は3年生になると就職活動をすると言う。そして一度、正社員をからはずれれば「社会から落ちこぼれてしまうような」恐怖感さえ与えているのが現代の社会だ。そして、人々が萎縮したり、会社の枠の中で無理をすることで病気になったりしているようにも思える。失敗を許さない、不寛容な社会はますます人の心を病ませていくのではないだろうか。
 この場で紹介したい動きがある。「ユメブレスト」という場を企画している若者たちだ。「人が夢を語れる空間を作り、個人にスポットを当て希望のある社会を作る事」を目的に語りあえる場を作っている。この「ユメブレスト」に参加していた若者も写真展を見に来てくれた。
 グローバリズムにも対してもしっかりと自らの視点を持っている佐藤慧さん。「笑顔の馬力」を持っている佐竹詩子さん。最後にお酒を酌み交わすことができたティガーさん。これからどこへ行こうとするのか。また、会いたいと思う。
 スペースふうら・・・7月の予定